ただあの子になりたくて


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柔らかな日差しに艶めく机。

みんなと同じ椅子でも、まるで別物のようにすら見える凛とした座り姿。

窓の外の青い空を見つめれば、たちまち絵になる黒髪の美少女。

私もまるきり同じになるはずだった。

けれど、ベースが違う人間は、そうはいかないのだとことごとく思い知らされた。

今日は椿になって初めての登校。

初めて座る椿の席は、窓際の最前列。

廊下側の一番後ろの席で脚光を一度も浴びることなくたるんでいた私には、そんなこと知る由もなかったのだ。

姿勢をよくするために腹筋には力を入れっぱなし。

あくびが出ようものなら、奥歯でかみ殺す。

視線の端に時たま感じる男子の視線に、微動だにしてはいけない。

だらしなく頬杖をつくなんてもってのほか。


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