山下くんがテキトーすぎて。



* * *




「結局はさ〜、」



クレープ屋さんにて。




「愛音は、山下のことが

まだ好きなわけだ」



生地から溢れてる生クリームを器用に舌ですくいながら

かんなが不敵な笑みを浮かべた。




「………」




もう、否定はできない。


うん、好き。大好き。


だけど今は山下くんへの想いをつのらせたくない。



だって。




「山下くん、笹川さんのこと絶対好きになる気がする」



「……なんで?」



「だって、可愛いし……」



「………」



「山下くん、笹川さんのことタイプって言ってた」



「へぇ、笹川みたいなのがタイプなんだ? 山下も案外ふつーだね」




ふつーか。

うん、まぁ、男子は笹川さんみたいな子が好きだよね、ふつー。





< 128 / 299 >

この作品をシェア

pagetop