山下くんがテキトーすぎて。
* * *
「結局はさ〜、」
クレープ屋さんにて。
「愛音は、山下のことが
まだ好きなわけだ」
生地から溢れてる生クリームを器用に舌ですくいながら
かんなが不敵な笑みを浮かべた。
「………」
もう、否定はできない。
うん、好き。大好き。
だけど今は山下くんへの想いをつのらせたくない。
だって。
「山下くん、笹川さんのこと絶対好きになる気がする」
「……なんで?」
「だって、可愛いし……」
「………」
「山下くん、笹川さんのことタイプって言ってた」
「へぇ、笹川みたいなのがタイプなんだ? 山下も案外ふつーだね」
ふつーか。
うん、まぁ、男子は笹川さんみたいな子が好きだよね、ふつー。