山下くんがテキトーすぎて。



急いでカバンに道具を詰め込んで肩にかける。


私たち以外に誰もいない教室は、席が離れた山下くんの寝息さえも聞こえてきそうなほど静か。



これを放課後の静寂と言うのかな。

なんて、弱い頭で考えてみたりして。



だから山下くんの事なんか考えてないよ。朝まで勝手に寝てればいいじゃん。


私が起こさなくったってきっと……可愛い彼女が起こしに来てくれるんでしょ?



私は、帰るからね!!!

ガタッと音を立てて立ち上がる。




「……いつまで寝てるの?山下くん」



……あぁ、なんで。


意志とは裏腹に足が動くんだろう。

話しかけちゃうんだろう。



でもね、1回だけにするもん。
これで起きなかったら、ほんとに帰るもん。



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