山下くんがテキトーすぎて。





「そのかわり……」



もう一度目をこすったあと、山下くんが妖しく笑った。




「もしダメだったときは……どうなるかわかってるね?」




「えっ」



「辱められるのと、痛いの、どっちがいい?」



「……へっ?」



今、なんて?


はずかしめられるのと、いたいの、どっちがいい?




あぁ……また。漢字に変換できないや。



でも、とりあえず……




「えっと、痛いのはいや……かな」



「ははっ、そっか」



「…………」




やっぱり意味わかんないなこの人。



「ま、だいじょーぶだよ。今回はそんなことにはならないから。自分を信じて頑張ってきな」




「あ、うん!頑張るね!」




「じゃあ俺、寝るから」




「えっ?もう放課後だよ!?」




「追試終わったら起こしてね、じゃ」




バタッと音を立てて、山下くんはそのまま机に突っ伏した。



数秒後、気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。



……切り替えはやっ!!!




呆れてため息が出る、けど。



追試終わったら起こしててってことは……


もしかして私のこと待ってくれるつもりでいるの?




きっと、そうだよね。


どうしよう、自惚れていい?


ちょっとは山下くんに好かれてるって自惚れていいかな?






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