ひと冬の想い出 SNOW
-ピッピッピッピッ
また、またこの音。
日に日に音が大きくなっている。
何の音だかもわからないし、聞いたこともなければ心当たりもない。
知らない電子音。
やはりわたしは霧の中に立っていて、辺りを見回している。
音のする方へ歩き出す。
…なんか変だ。
今までは歩き出した後、すぐに目覚めたのに、今は夢が終わらない。
-ヒューーーー
突然目も開けられないほどの暴風が吹き、霧がすっかり晴れた。
景色が初めて現れる。
「どこですか、ここ。」
わたしは歩道に立っていた。
目の前には横断歩道。
後ろは図書館。
信号が点滅し、赤になる。
もう少しすれば止まっている大型トラックや乗用車、バイクが右から左、もしくは左から右に流れ出すだろう。
何もおかしなところはない、ただの日常の風景。
でも、わたしは胸騒ぎがしていた。
何か、何かが起こるんじゃないか、と。
わたしは無我夢中で辺りを見渡す。
反対側の歩道に、小さな女のコ。
わたしはその子に釘付けになる。
だめ、だめよ、そのまま歩いたら!
-ヒューーーー
-プーーーーー
トラックのクラクションとともに、目も開けてられない暴風が霧を乗せてやってきた。
「だめ!」
めいいっぱい叫ぶわたしの声は、彼女に届かない。
また、またこの音。
日に日に音が大きくなっている。
何の音だかもわからないし、聞いたこともなければ心当たりもない。
知らない電子音。
やはりわたしは霧の中に立っていて、辺りを見回している。
音のする方へ歩き出す。
…なんか変だ。
今までは歩き出した後、すぐに目覚めたのに、今は夢が終わらない。
-ヒューーーー
突然目も開けられないほどの暴風が吹き、霧がすっかり晴れた。
景色が初めて現れる。
「どこですか、ここ。」
わたしは歩道に立っていた。
目の前には横断歩道。
後ろは図書館。
信号が点滅し、赤になる。
もう少しすれば止まっている大型トラックや乗用車、バイクが右から左、もしくは左から右に流れ出すだろう。
何もおかしなところはない、ただの日常の風景。
でも、わたしは胸騒ぎがしていた。
何か、何かが起こるんじゃないか、と。
わたしは無我夢中で辺りを見渡す。
反対側の歩道に、小さな女のコ。
わたしはその子に釘付けになる。
だめ、だめよ、そのまま歩いたら!
-ヒューーーー
-プーーーーー
トラックのクラクションとともに、目も開けてられない暴風が霧を乗せてやってきた。
「だめ!」
めいいっぱい叫ぶわたしの声は、彼女に届かない。