ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に
「な…何なの?」


気になる態度見せないで。


「いや、慎重派のケイを落とすってどんな男かと思ってたけど、やっぱイケメンなんだなーと思って」


いいな〜と呟きながら歩く聖の横で溜息。
見た目だけで落ちるカンタンな女に見られてるような気分がする。



「仕事何してるって?」

「えっ!?」

「アロハ着て金魚屋もしてたような人なんでしょ?フツーの会社員?それともヤバい系?」


まさか裏の人とかってことはないよねぇ?と聞く。


「ままま、まさか。ふ、フツーの会社員……だったよ」


吃って言うと違うような感じするけどーー。


「それ聞いて安心した」


胸を撫で下ろされた。
聖は私の吃りを理解してるからホントに助かる。


「今度、私達にも会わせて。ケイを泣かすような男だったらとっちめてやるから!」

「はは……よ、よろしく…」


オフィスに着いて話は終わり。
ノロノロと制服に着替えて課に向かって歩き出してすぐに……



「ケイちゃん!」


中年男性に呼び止められた。


「部長」


叔父さん、その呼び方は前からやめてと何度も言ってるのに。


「ああ、すまん、すまん。つい軽々しく呼んでしまって」


(そうだよ)


呆れながらも、「おはようございます」と挨拶した。


「おはよう。それより、ちょっとおいで」


子犬を呼ぶ様に手先を動かして招かれる。


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