ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に
土曜日の朝になり、寿神社にはタクシーで向かった。
こんなキラキラワンピを着て、電車やバスには乗る勇気がなくて。
「素敵ですよ」
お見合いですか?と運転手に聞かれた。
ははは…と笑ってごまかし、今度はきちんとお釣りも貰った。
先週と同じ位置でタクシーを降りた。
谷口が指定してきた神社は、横断歩道を渡った先に見えている。
鳥居の奥にある石灯籠の後ろに郁也がいた。
まさかとは思うけど、あいつもそこにいるんじゃ……
「おいっ!」
横断歩道を渡ろうとした側から声をかけられた。
「へっ?」
声の主を振り返る。
「乗れよ」
白いスポーツカータイプの車の窓が開いて、その向こうから顔を覗かせているのは髪の毛を逆立ててる男。
「えっ、あ、あの、私は……」
ただビーサンを返しに来ただけだと言おうとしても。
「ほら、早くっ!信号変わるっ!」
……ねぇ、人の話も聞こうよ。
「早く乗れっ!」
最後には怒鳴るし。
歩行者信号が点滅しだした。
さすがにヤンキー男の顔がイラついてる。
(ナムサン…)
心の中で手を合わせて乗り込んだ。
「シートベルトを締めろ!」と叫ぶ男にペコペコしながらカチンと止める。
「行くぞ」
どこへだ。
信号が青に変わり動き始める車。
あまり詳しくないからわからないけど、内装はかなり高級っぽい。
こんなキラキラワンピを着て、電車やバスには乗る勇気がなくて。
「素敵ですよ」
お見合いですか?と運転手に聞かれた。
ははは…と笑ってごまかし、今度はきちんとお釣りも貰った。
先週と同じ位置でタクシーを降りた。
谷口が指定してきた神社は、横断歩道を渡った先に見えている。
鳥居の奥にある石灯籠の後ろに郁也がいた。
まさかとは思うけど、あいつもそこにいるんじゃ……
「おいっ!」
横断歩道を渡ろうとした側から声をかけられた。
「へっ?」
声の主を振り返る。
「乗れよ」
白いスポーツカータイプの車の窓が開いて、その向こうから顔を覗かせているのは髪の毛を逆立ててる男。
「えっ、あ、あの、私は……」
ただビーサンを返しに来ただけだと言おうとしても。
「ほら、早くっ!信号変わるっ!」
……ねぇ、人の話も聞こうよ。
「早く乗れっ!」
最後には怒鳴るし。
歩行者信号が点滅しだした。
さすがにヤンキー男の顔がイラついてる。
(ナムサン…)
心の中で手を合わせて乗り込んだ。
「シートベルトを締めろ!」と叫ぶ男にペコペコしながらカチンと止める。
「行くぞ」
どこへだ。
信号が青に変わり動き始める車。
あまり詳しくないからわからないけど、内装はかなり高級っぽい。