竜宮城に帰りたい。



「は、晴…!?え…」


こ、これって!
膝枕されてる!!


慌てて身体を起こそうとしたが、
晴におでこを押さえつけられた。



「晴、ごめんなさい。
えっと…離して…」


「お前、ホンマあほやの。

慣れとらんのに服着たまんま泳いだりして、溺れるに決まっちょる。」



晴ははーっとため息をつくと、
押さえていた私のおでこにデコピンをした。



「!いった…」

「……悪かった」

「え……」


い、今、晴が謝った!?


晴はそれ以上何も言わず、私の身体を起こしてくれた。



「ありがと…」


「お前はいちお浦島やけん、
溺れとったら世話ないが。」


「う、うん…。」


「せっかく自由なんやけん、
こなんとこで縛られても意味ない。

乙姫なんぞ忘れて、はよ行けばええんや。」


「えっ…」


「……。

浦島の話や。」



晴はそう言うと、「戻ろうで」と付け加えて、来た道を戻っていった。





< 101 / 236 >

この作品をシェア

pagetop