竜宮城に帰りたい。



「わ、あの人かっこよくない?」

「読モとかやってそう…」



大学内を一緒に歩いてると、

より痛感する。


晴って……



「あ、あの!」


「あ?」


「入学ガイダンスの時見かけて、

カッコいいなって思ってました!

よかったら、ライン交換しない!?」


「は?」



晴って、モテるんだなぁ…!!



「澪、なんな。こいつ。」


「私にふらないでよ。」


「そ、その人…彼女?」


「「え。」」



晴、なんて答えるんだろう…。


私が恐る恐る答えを待っていると、

晴は憎たらしくニヤリと笑った。



「彼女!?こなん豚が?

ありえんやろ。

さっき豚足で殴られて、頭蓋骨折れたわ。」


「っ晴!?

さっきから豚豚しつこい!」


「愛称や。」


「全然嬉しくない!

わ、私……これでもダイエットして、メイクして……」


「はははっ…!」



晴は、涙ぐむ私を悪魔のように笑い捨てた。



私たちのやりとりを聞いていたその女子は、

ドン引きして

「失礼しまーす」

と逃げていった。




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