竜宮城に帰りたい。



**


翌朝ー


目が覚めると、おばあちゃんが私の横に座っていた。


「おはよう。」


おばあちゃんの優しい笑顔を見て、
また泣き出しそうになるがなんとかこらえた。


「おはよ…」

「体調はよぉなったかえ?」

「うん…」


きっと何かあったと気づいているんだろうけど、
体調が悪かったことにしてくれてる。


何も聞かないでいてくれるのは、ありがたかった。



「今日は晴ちゃんたち来ても、
澪ちゃんは体調悪いっちゅーとくけん、
ゆっくり休みまい。」


「うん…」



おばあちゃんはまたにっこり笑うと、
寝室の襖を静かに閉めた。



「ありがと…」


たぶん聞こえなかっただろうけど、
お礼を言い、また一粒涙をこぼした。





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