未完成恋愛
「何の事だかわかりません」

オレはすぐに否定した。そうしなければヤバい気がしたからだ。

「心当たりないんだな?」

「ありません」

「…わかった。帰っていいぞ」


彼らはそう言ったが…明らかに疑っているようだった。
多分、証拠なんてない

だからオレが否定すれば、どうしようもなかったんだと思う。
…てか、そんなん素直に認めるヤツなんていねーし!


それよりも
気になる事がある。


『どうしてバレた?』


心当たりは…

そう。ヤツしかいない


オレは田上に連絡し、これから会う事にした。
近くのファミレスで待ち合わせる。


「何の用だ?呼び出したりして」

「…とぼけるなよ?お前チクった?」
「は!?何が?」

「この前オレが女とホテルから出てきたって…担任とかに言われたんだ。お前しか知らないだろ!?」

「ちょっ…ちょい待ち!それオレが言ったって?!」

「そうだろ?」

「違うよ!!オレじゃねーし!!」

「否定するとは思ってたけど。とにかく…オレ今スゴくムカついてて!なんなんだよ!」

「ホントに違うって!!そうだと思うならオレの事も先生に言えよ!女とホテル行ってたって!!」
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