未完成恋愛
「そんなの村上くんに何とかしてもらう事じゃないよ」

「…!」

いきなり突き離された気がした。

  『村上くん』

オレをそう呼んだ彼女のコトバにオレはスゴくショックで…
いきなり頭がいっぱいいっぱいになる。
よそよそしい彼女の態度。対応。


「だ…だけど…!」


「あのね、全部自分のせいなの。誰のせいでもないし、誰かに何とかしてもらおうなんて思わないから」

「岡崎だけのせいじゃない!オレにだって責任があるんだ!…だから…こんな別れ方はイヤだ…!キライになったワケじゃないのに…イヤだよ…!」

オレはまるで子供みたいにダダをこねていた。
もうどうすればいいのかわからない。

彼女は大人で、教師で、大人としての対応を取られると…オレは太刀打ちできない。


しばらく彼女は沈黙し…答えた。

「世間的に見ても大人の私に責任があるのは明確よ。だから別れるのは当然だし」

「それが理由で…別れるんだな?」

「違うわ…もちろん、もう好きじゃないからよ。子供と付き合うのに疲れたの」

「…わかった…」

岡崎の頑なな態度に…オレはもう何を言ってもダメだと思った。
何もかも…終わりなんだと気付いた…
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