未完成恋愛

　　　『結婚』


オレにとっては想像もできず、重い言葉。

その言葉が意味するもの…多分たくさんあるんだろうけど、今感じたのは

『彼女が遠い所に行く、遠い存在になっていく』

そんな感じだった。


もう会えない


直感でわかる


だけど当然オレは納得できなかった。
相手がアイツならなおさらだ。

どこの世界に
『はい、そうですか』
って素直に言うヤツがいる？


「…結婚なんてやめろよ」

「もう決めた事だから…」

「オレが結婚してやるから！」

彼女は笑って答える。

「まだ高校生でしょ？そんなもの考えずに恋愛しなさいね」

「オレは…岡崎と恋愛したいんだよ！なんで誤魔化すんだ？オレ…他の大人の男で岡崎を幸せにできるヤツならいいんだ。だけど違うじゃん、あんな…DV男！岡崎を幸せになんかできねーよ!!そんなのわかってるだろ？」

「蓮の言う通りかもね」

「だったら…！」

「でも…彼とは離れられない…あの人は私がいないとダメだから…」

「そんなのオカシイ！結婚って…もっと愛し合ってするもんだろ!?なんで…なんでオレじゃダメなんだよ?!」

「…蓮が素敵な人だからよ」

「!?」