きみのおと
ただ、側にいられれば良かった。
それが自分が望んだ形じゃなくても。
多くは望まない。
せっかく心を開いてくれたのだから。
「せっかくだから朝早くに集合してさ」
「・・・うん」
「あ、お弁当とかもって!」
「楽しそうだね」
千秋くんが、笑ってくれるなら。
笑って隣にいてくれるなら。
きっとそれで、十分なんだ。
そう思ってた。
本当に、心から。
「帰ったらさっそく亜衣たちも誘ってみよ!」
「うん」
思って、たんだよ。