私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
「そうやってキレて、何か変わると思ってるの?」

足が浮いたまま、ミリィさんは静かに言った。

「君はほんっとに変わらないねぇ。
最初会った時から全然変わらない。」

軽く口角をあげてミリィさんは笑った。

「そんなんだから…」

「ハキとも引き剥がされちゃうんだよ。」

バキッ!

緑はミリィさんを殴った。

歯が折れるほどの強さで。

私は怖くて、思わず後ずさりをした。

イルマはミリィさんを床に落とすと、私の方を見た。

その表情は、悲しそうに見えた。

急に懐かしい気がした。

「透愛…いや、ハキ。」

「…はい。」

私は思わず返事をした。

「お前…ハキ、だろ?これ、覚えてるか?」

そう言ってイルマは、コートのポケットからネックレスを取り出した。

紫色の月のネックレス。

それを見て、私は

イルマに駆け寄った。




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