蒼き華に龍の口付けを
『異国の人』
「ラウリ殿に蒼華嬢。この度は取引に応じて頂き感謝しますぞ」

『和風』の世界とは思えないロココ調の内装。部屋に合わせて配置されたソファーに座る男性。彼が取引相手だ。

中世ヨーロッパの男性と全く同じ格好をしている。
幾らなのか想像もつかない衣服とシルクハット。しかし、それらを壊してしまっている体型はラウリより二、三倍横に大きい。

「ああ。こちらこそ今日は宜しく頼む」

道中、不機嫌だったラウリは営業用の笑みを浮かべる。
しかし、煙管を取り出したのはまだ、不機嫌でいる証。幸い相手にばれていない。寧ろ、ばれたらこれは破棄される事間違い無しだけど。

「はい。今日は良い取引を行える様宜しくお願いします」

私もラウリと同様、営業用の笑顔で応える。
ラウリが『挨拶は第一印象の大部分』と毎日この笑顔の練習をさせられた。
これが出来て損は無かった。
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