元姫の秘密
そう言って理希はお兄さんに頭を下げた




「いや、理希だけは責められねぇな


俺たちだって知らなかっし、何よりそこまでされてるとは思わなかったのは俺たちの失態だ


だから気にするな。それから理希、悪いがこれから杏奈に着いてあげてくれないか?


もちろん俺達も行くが、俺たちよりも素の自分でいられる理希の方がいいと思うんだ」



理希は少し考えた




そんな考えるほどのものなの?






「もちろん俺はついとくつもりだけど...



あいつ俺の前でも素じゃないぞ」




えっ



そんなことないでしょ




だって私たちと居る時よりも理希と居る時の方が楽そうだし...



「あいつな、きっとまだ誰にも素でいられてないぞ

もちろん俺だって努力はしている。が、こればっかりはあいつの意識の問題だからな


どうしようもないのも確かだ」
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