舞い散る桃蝶
story1



     side柚姫




目を覚ますとそこは見たことのない
部屋だった。


ていうか当たり前か…この時代に来てから
始めてみる物ばかりだったし…
でも、ここはどこ?
まさかまた彼奴らに捕まった?


そうだ、勇桜は…勇桜はどこ?



私が立ち上がろうと手を掴おうとしたが
それは無理だった。
手には縄がキツく結ばれていた。


こんなにキツく結ぶ必要なくない?
これでも女なのに…
さすがに手が痛い…


そう思っていると襖が開かれた。
そこにいたのは刀を腰に下げている
男の人だった。 



「ヒッ」



私は後ずさりながら首を横に
降っていた。



?「あ、あの…」

「来ないで!い、いや…近寄らないでっ」



また斬りつけられる…殴られる
これ以上、傷なんて増やしたくない…
そうだ…探さないと…
勇桜が言っていたとおりにしないと…



?「怯えさせてすまなかった
  何もしないから縄だけでも外させてくれ」




 
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