俺たちの妹・3
司も心配だけど、舞ちゃんも心配だな……

楽しみにしていた外出、出来る限りさせてあげたい。



少ししてから診察の為、澤井先生と部屋を回る。

澤井先生は一人一人言葉を交わしてから診察を始める。

子ども達も先生との会話で安心したような顔をすることが多い。

「うん、体調落ちついてきてるね。ケイタくん、そろそろ退院に向けて頑張ろうね」

「やった」

澤井先生の言葉に一喜一憂する子ども達。


「最後は舞ちゃんです」

「……舞ちゃん、朝少ししんどかったのかな?」

そう言いながら舞ちゃんの様子を見る澤井先生。

舞ちゃんは検温の時同様、ベッドから起き上がれずにいる。

「さわいせんせい……まい、きょうおうちにいけない?」

「それを決めるためにも、もしもしさせてね」

ベッドに横たわる舞ちゃんを聴診し始める先生。

「んー……舞ちゃん今しんどいよね?」

澤井先生の言葉に無言で首を振る舞ちゃん。

無理をしてる事は誰がみても分かった……


「舞ちゃん、今日はどうしてお家に帰るのかな?」

舞ちゃんがどうしてお家に帰りたいのか理由を聞き出す先生。

「……あのね……おねぇちゃんのおたんじょうびなの。まいがびょういんにいたらみんなでおいわいできないの。だから、まいはおうちにいきたいの。せんせい、おねがい」

舞ちゃんの小さなお願い、叶えてあげたいな……

けれど、体調がやっぱり心配で……
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