キミに涙は見せない。(修正中)
*第1章*

・入学式


桜舞う4月。



「っ……ぅっ……」


私は、誰もいない保健室で1人泣いていた。


まだ真新しい制服をびしょびしょにしちゃうんじゃないか、というくらい涙が止まらない。


ーガタンッ

誰かがなにかにぶつかる音がした。

その音にハッとし、パッと顔を上げると、


そこには、気まづそうに立っている男子生徒がいた。


音を立てた本人は申し訳なさそうに、


「あっ、……ごめん!


け、決して見るつもりはなかったんだ」


泣いている私の方を見ないように視線を逸らしながら彼はそう言った。



…というか、この人制服すごく綺麗だし私と同じ1年生……?




なんて思いながら彼のことをじっと見つめると、




「……あの、保健室の先生はいるの?」


会話の糸口を見つけるためなのか、聞かれたけど私も知るわけがない。



「……ごめんなさい。


私も、わかんないです。


私、今日からここに通う1年生なので……」




私は、まだ綺麗なブレザーで涙を拭い、彼の方を見た。

私が1年生ってことにびっくりしたのか目を大きくし、


「……あ、俺も1年なんだ。

で、名前は塩田理央(しおだりお)。


キミは?」


自己紹介をしてきた。



塩田理央くん、か。

なんか、いい名前だな。
かっこいいし、きっと中学生時代モテにモテまくってたんだろうな。




「私の名前は、如月和奏(きさらぎわかな)です。

よろしくね、塩田くん」




「うん、よろしく和奏」

塩田くんはすんなりと私のことを呼び捨てで呼んだ。

きっと、今までも女の子のこと呼び捨てで呼んでるのかな〜。


「あ、それじゃあ私…行くので…」


塩田くんにそう告げて、保健室を出ようとしたら、塩田くんは


「……実はさ、俺保健室来る前にクラス表見てて…和奏と同じクラスだったんだよ。


もし、和奏が嫌じゃなかったら良かったら一緒に行かない…?」


と言ってきたのだ。


「……よく何十人もいるのに私の名前覚えてるね」

クラス表なんて自分の名前しか見ないのに塩田くん凄すぎない?


「あーうんー…なんか、和奏って名前が綺麗で覚えてたんだよね。

きっと、名前に合うような美人な子なんだろうな、って…」

恥ずかしげもなく言うもんだから私は思わず唖然とした。


「えっ……」

名前が綺麗なんて初めて言われた。

それに……美人…って。




「あっ、いや…なんか俺、キモいよな!?ごめん……忘れて…」

今度は恥ずかしそうに顔を逸らす塩田くん。


なんか、塩田くんって面白いな。

恥ずかしそうにちょっと顔を赤めてる塩田くんを見てクスリと自然に笑みがこぼれた。




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