拗らせ女子に 王子様の口づけを

なかば呆れるように私、早川沙織(はやかわさおり)に言葉をかける。


「でもね、なんと4月から一緒に働けるようになったの!」


「えっ!?なんで?なんで?野々宮先輩大阪じゃなかった?」


いつもは奏輔関係の話しは流すようにしか聞いてくれないみのりも、ちょっとは驚いてくれたようだ。


後一週間で4月が始まるという3月最後の週末。
久しぶりに会う親友に、興奮を抑えきれないように一気に捲し立てた。


「奏ちゃんが、今の会社に入社してすぐ大阪に行っちゃったでしょ?中々戻ってこれなかったんだけど、こっちの主任が急に辞めることになっちゃって、奏ちゃんが呼ばれたってわけ。凄くない?奏ちゃん主任になるんだよ!ほんと良かったー頑張って同じ会社に入った甲斐があったよ。オフィスラブよ。オフィスラブ!」


「へぇー。沙織の執念が実を結んだわね。……まだ実は結ばれてないから違うか」


ケラケラと、笑いながら私を貶めるも今までの事を全部知っているだけに強くも出れない。

くそぅ。

「でもね、回りから見たら殆どストーカーだからね。迷惑になることだけは止めなさいよ。私からイエローカード3枚で即退場だからね。そしたら、野々宮先輩の事は諦めること!分かった?」


チッッ


小さく舌打ちするも聞こえていたようだ。


「沙織?今すぐ色んな男を紹介して、あんたの回りにウロつかせてもいいのよ?」


ヒィィッ、、、、
ブンブン首を横に降る。


「私はそろそろ本気で蹴りをつけて野々宮先輩から離れてほしいんだから。別に今すぐ退場でもいいのよ?」





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