2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Nineteen --**



「言われなくても分かってるよ」


ヒデはさっきの俺とセリフと同じセリフで返した。


俺たちの間に自然と笑みがこぼれはじめる。


「ヒデ」

「おぅ」


俺がそう言うと、ヒデは俺が何をしたいかがすぐに分かったみたいだ。


『ゴンッ』


小さな鈍い音とともに、俺たちは拳と拳を突き合わせた。


友情の証。
俺とヒデの友情は元に戻った。


そのあとすぐに病室に戻り、何があったのかと心配する雪ちゃんに、2人でニカッと笑ってごまかした。


それから栞が目を覚ますまでの約3時間、俺はずっと栞の手を握っていた。


その間に、ヒデと雪ちゃんはいったん病室を出て、俺の耳が届かないところで何かを話してきたみたいだった。


ヨリを戻すのは難しいと思っていたけど、戻ってきた2人は前よりもずっと笑顔だった。


俺もヒデたちも何も言わなかったけど、2人の間にはわだかまりが解けた空気が流れていた。


ヨリが戻るのは近そうだ。
 

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