2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Three --**



『あなたの落とした斧(オノ)は金の斧ですか?銀の斧ですか?』


おとぎ話の中の沼の精がワタシに聞く。ワタシは迷わず言った。


「ワタシは斧など落としていません。もしあなたが斧を拾ってそれをワタシに返そうというのなら、それは間違いです」

『間違いとは?』


沼の精は不思議そうな顔をする。


「ワタシは斧を捨てました。もういりません」

『あなたが捨てたと言った斧、それはあなたの大事なものではないのですか?』


沼の精は聞いた。


「いいえ」

『斧はあなたの分身。言い換えればあなたの命そのものではないのですか?』


沼の精はまた聞いた。


「いいえ。違います」

『そうですか。分かりました』


そう言って沼の精は沼の中へ戻っていった。


少しして、沼の精は手に火のついた長い蝋燭(ロウソク)を持って再びワタシの前に現れた。


『これは何だと思いますか?』

「蝋燭です」

『では私が蝋燭を吹いたらどうなりますか?』
 

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