苦しくて、愛おしくて



「凛くんどこの高校受験するの?」


ガヤガヤと騒がしいお昼休み時間。

友達の遥(はるか)がタコさんウインナーを頬張りながら唐突にそんなことを聞いてきた。


「知らないけど桜の丘あたりなんじゃない?」

「へえーなんで?」

「制服可愛いから、あそこ」

「適当かよ」


そういや聞いたことなかったっけか、志望校。


「私の妹なんてさ彼氏とおんなじとこ受けたいからってだけで決めたんだよ、どーよそれ」

「あーね、まあ不純だけど今時らしいよね」

「凛くんは彼女いないの?」

「いないいない、なんか作る気ないみたい」


遥の妹は凛と同じ中学校でちょうど同い年。
だからこそこうやって凛の話題が二人の間に上がることも珍しいことではなかった。


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