ツナグ。
2

海神高校入学翌日、初日の放課後に珍しく気合いのはいった声が響き渡った。


「海神排球部に入部希望です!」


一人声を張り上げ、一人はその声の主を睨み、一人はつまらなさそうにしている。 

威勢よく体育館のドアが開かれ、それと共に発せられる元気の良すぎる声。

晩春の暖かさに、それは、春には不釣り合いな熱さを中にいる人たちに与えた。


「おー……今年は3人か。どんどん増えてるなー」

「武島さんの代限定っスよ、ぼっちなのは」

「坂田? お前だけスパイク練習プラスの一時間走するか?」

「うわぁっ! マジ、勘弁してくださいよ! すんませんって!」


黒いオーラを纏った3年の武島ヒロ、ここの排球部の主将(キャプテン)をしている。

学年で一人と言うことで、しょっちゅう弄るのは、2年坂田シヅキ。

この二人は見た目は正反対の正統派と熱血漢。熱血漢らしい坊主頭が、坂田のチャームポイントだ。

中にいる数人は、一瞬静まり返ったこの場に気まずい雰囲気など微塵も漂わせず、何食わぬ顔していつもの部活風景がそこにあった。

新入生として入部を希望している3人が、今度はその先輩と後輩の仲の良さ、イメージに圧倒されていた。


上下関係がまるでないのだ。


そんな柔らかな印象に誤魔化されていたが、1年の相川アヤトが最初に気づいた。
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