信愛なる君へ
1章


「ごめん。もうしないから」



このセリフを聞くのはもう何度目か分からない。

それくらい、同じセリフを『何人からも』聞いてきたのだ。



私は目の前で土下座して謝る男を冷ややかな目で見続ける。



「アヤとは…アヤとは一回きりだ!本当なんだ!信じてくれ!」


7つも下の私に土下座までして必死に謝るこの男が滑稽に見えてきた。


「真実(マコト)さん……本当に一回きり?誓って言える?」

「あ、当たり前だ!俺は咲笑(サエ)を1番に愛しているんだ…!」

「………ふーーーーーーん」


私は鞄から数十枚のある物を出し、バラっとこの男の前に蒔いた。


「貴方の1回きりは………………随分と多いのね…」
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