愛は尊い

何か操さんのために…
何かできることはないか、と
いつの間にか考えるようになっていた

あれだけ、毛嫌いしていたが
結婚は一生続く
なら変わるしかない


『操さんが、変わる…なんで無理かな』



はぁ、とため息をつきながら
項垂れていると
行儀が悪いですよ、とお叱りをうけた
だってー、と勝田さんに甘える


今は勝田さんだけ
私の話し相手も、相談相手も…

新しい携帯を手に
楓さんに一度だけ連絡を入れた
呼び出し音はしたが
楓さんの声を聞くことはなかった
それからは…かけていない


「音様…、旦那様は今までに婚期がなかったわけではありません。つい最近もお話もありました。ですが、それを断り音様を選んだのです。それも借金まみれの子供の貴方を…」


グサッと一突き刺さる
何も言い返せず、黙ってしまうが
勝田さんは気にする素振りも見せない