愛は尊い


「私が感じた事ですので、本当のところはわかりませんが、旦那様…操様と奥さま…果歩様との間に何かがあったのではと思います」


何か…とは、
それが顔に出ていたのか
勝田さんは話を続けた


「家庭教師期間中、果歩様は操様の事を気にしており、親身になってくださいました。はたから見たら姉、弟という兄弟のような姿。大旦那様もそう見られていたと思います」


ですが私は見ました、と言葉を続ける
休憩にと勝田さんがティーセットを持って行った時
果歩さんが操さんの肩に触れ
見つめ合っていたという

驚いた勝田さんだが
たまたま、タイミングがそうなってしまったと思ったが
それが二度三度と目撃をしたという

勘違いじゃないかと問うと
勝田さんは私の目をしっかり見て


「女の勘です」


勝田さんはそれからずっと
果歩さんの事をよく思っていなかった


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