明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
もう一度
トイレから戻った俺に

「歩けそー?辰巳のがデカイから俺担ぐとか嫌だしね(笑)」

いつもの瑠依が笑って言う。

「わり、でも、帰る。」

「電車乗れんのー?うち、泊まってけばー?」

……。
この姉弟は……。

「お前なー。さっき、忘れろって言ったんだろ?会うじゃねーかよ。」

「えー?辰巳が会いたいって言ったんじゃん。」

「……」

「どーすんのー?」

「行く……」

「ん、大丈夫、あの人最近俺の部屋とかこねーから。多分、会えないよ(笑)」

「……先、それ言えよ。」

「あはは。」

こんだけ会いたいとか言っておきながら、
会ったら、会ったで、
どーしたらいいとか、結局わかんねーんだよ。

でも、それでも、
やっぱり俺は瑠花さんに会いたいし、

忘れるとか、したくねーんだよ。
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