【短編集】その玉手箱は食べれません
「絶望なんか選べるわけないだろ」
「選びなさいよ」
「顔を見せてくれたら考えてもいい」
「わかったわ」と言って相手はあっさり両手を引っ込めた。そしてパチッと音がすると明かりが点く。
裸電球が皓々と輝き、久し振りに光を直撃した目は素直に明かりを受け入れることができず、視界がぼやけた。
裸電球の白い光の輪に包まれた相手の姿は天使には見えなかった。
予想していたとはいえ元カノの姿が視野に入るとおれの体に寒気が走った。