【短編集】その玉手箱は食べれません


「弾が貫通していたのは救いでした。誰かが遊び半分で撃ったようです。ひどいことをするもんだ」

 白衣の男は首を小刻みに振って答えた。


「ひどいな」

 金髪の若者は哀れんでおれを見詰める。


「ところでこの野良猫を引き取るんですか?」


「おれマンションに住んでるんだよ」


「そうなんですか」


「治療費は払うが、面倒は見れない」


「このままだと保健所行きですね」

 2人は同時にため息をついた。

       <了>
            第七話へ

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