【短編集】その玉手箱は食べれません
「弾が貫通していたのは救いでした。誰かが遊び半分で撃ったようです。ひどいことをするもんだ」
白衣の男は首を小刻みに振って答えた。
「ひどいな」
金髪の若者は哀れんでおれを見詰める。
「ところでこの野良猫を引き取るんですか?」
「おれマンションに住んでるんだよ」
「そうなんですか」
「治療費は払うが、面倒は見れない」
「このままだと保健所行きですね」
2人は同時にため息をついた。
<了>
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