恋色流星群


鮮やかに、片腕だけで。

私の喉元を捉え、自分の胸に引き寄せる。










「それじゃ誰のか分かんねぇだろ。」







囁く声の色気に、背中が縮む。



その背中を通して私を震わす

航大を生かす鼓動。




鏡の中の彼は、不機嫌そうに眉毛を寄せたかと思うと。






『いっ・・・!』






瞬間、噛み付かれたかと思った。

首元に走る、甘い痛みが思考を止める。






他人事のように鏡に映るのは。
男女の甘い情事なんかじゃなくて。




獲物の喉元に喰らい付く黒豹と

捕らえられた、愚かな小動物。











“首輪”




リフレインする

南国の風の暑さと、柔らかいブーゲンビリアの香り。










「困らせんなよ。」






顔を上げた黒豹の口元で咲いたのは。

赤いローズの花びら。











『なっ・・・ちょっ・・・!!
何やってんの!ありえな、』





男っぽい手のひらで

妖艶に塞がれた唇。




私を見据える鏡の中の鋭い瞳に

呼吸を、忘れる。











「またされたい?」






その囁きは

天空で初めて聞いた歌声より。

甘い甘い熱量で、私を溶かす。







美しい皮を被った。中身はきっと、獰猛な獣。

簡単に己の跡をつけて、所有者を示せという。

どうかしてると思うのに。

かけられた甘い鎖を、振り払うこともできない。





















熱っぽい空気の中で。

一人、鏡の中に取り残された私は。





赤い花びらと

このぐるぐる回る甘い目眩の言い訳を





必死で、考える。
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