恋色流星群

緑色に金色のレース模様。
甘党女子なら誰もがときめく、甘やかな気配。


『ラデュレ!』

「今日帰国したんだよ、王子。」


ああ・・・でしたね。


「どーしても今日渡せって言われてさ。賞味期限近いらしい。笑
本人は音入れで来れないから、代わりに俺が。」


優しいなぁ、チョコ。
それだけで、ここに来ちゃうんだね。いや、来てもらっていいんだけど。
どんだけ友達思いなんだよ。


そっと受け取ると、


「感想は直接言ってやってね、渡したのか怪しまれるから」と笑った。

『どS野郎だわ、友達こき使って。ごめんね、ありがと。』

「いやいや、実は軍資金ももらってたから。笑
けど今日はやめとく、また来るよ。」



『お見送りいきます』そうキャッシャーさんに伝えて、あっさり外に出て行くチョコを慌てて追った。





『さむ!まだ寒いね~』

「そんなカッコしてたらね。もういいから中入りなよ。」


3月は、まだまだ冬だな。
ドレスから放り出した二の腕を、自分で抱える。

外に立つボーイくんに目配せでタクシーを捕まえるよう合図して、チョコの隣に立った。
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