君の瞳を信じて。

それから私は、心奈といるのが気まずくなった。気づかれないようにしたけど…


「うわぁ、ここちゃん、立花先輩と付き合い始めたんだ!可愛いしイケメンの彼氏もいて、自慢の双子の妹だね~」

「…うん…」



そうして、あの日から1ヶ月が経った。



「優奈…お願いがあるんだけど…」
心奈が、真剣な顔をして話しかけてくる。珍しいな…

「何?」

「あのね…私、樹先輩と別れたいんだよね」

「え…?」
なんで。なんで。なんで…?

「先輩から告白してもらったけど、別に私は、好きじゃなかったんだよね。初めてのことで、舞い上がっちゃってさ!成り行きでOKしたけど…やっぱ先輩のためにも、別れようかなーって。」


聞きたくない…
これは、弱い自分への罰ってヤツかな。

あ…ダメだ。もう涙が落ちそう。
唇を思い切り噛んで、こらえた。

「でも、先輩は私を好きでいてくれるし、言いにくいなぁと思って。だから…」

「優奈、先輩に言ってくれない?お願い!」

「わかった…」


口の中が、鉄の味。
唇が切れて、血が出ていた。

悲しい味。

< 13 / 13 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

隣の彼は、無愛想。
恋 ren/著

総文字数/5,438

恋愛(純愛)16ページ

表紙を見る
君と私の最後の3分
恋 ren/著

総文字数/3,358

青春・友情10ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop