今日失恋しました。

それはあたしの耳にも届いて、今度はあたしが赤くなる。


そういうのは面と向かって言ってよ!
呟かれるのは普通に言われるより恥ずかしい。


「きょ、今日も暑いねー。」


話題をそらして何とか顔の火照りを冷ます。


「そうだね。
じゃあ、まずはかき氷食べに行きますか!」


まずい…早く言わなきゃ。
チラッと村田の顔をを見るとすごく楽しそうで、ますます言いづらくなる。


「あの……そのことなんだけどね…。」


あたしがそこまで言った時、村田の背後を男女2人組が通って視線を奪われた。


もちろんさっきからずっと村田の後ろはたくさんの人が通ってる。
でも今の2人はあたしが見間違えるはずのない人たち。
海斗君と青山さんだ。


本当に海斗君が花火大会に来てる…。

あたしは今まで海斗君が女の子と2人っきりでいるところを見たことがなかった。
だから余計にショックが大きい。


青山さんは可愛らしい花柄の浴衣で髪を結い上げていて、すごく可愛い。
海斗君はさっきから周りをキョロキョロ見ている。


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