声にできない“アイシテル”

私の気持ち  SIDE:チカ

 ベッドの縁にポスンと座る。

 混乱していて、頭の中心がなんとなく重い。


 はぁ、と大きなため息が出た。

―――まさか、お兄ちゃんが私のことを好きだなんて・・・。


 本当にびっくりした。

 お兄ちゃんはずっと“お兄ちゃん”だと思っていた。

 それはこの先もずっと変わらない。


 勝手にそう決めていた。


 だけど、お兄ちゃんの気持ちを知ってしまった。



 私は考えなくちゃいけない。

 私のことを想って、自分の将来までも変えてしまったお兄ちゃんに対して、真剣に向き合わなくちゃいけない。

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