絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
あたしは気を取り直して男を見た。


「あたしを呼んだ理由はなんですか?」


「さすが、世田朱里だな。飲み込みが早い。さっきの胸の痛みだって、普通なら体調が悪いと思って無視するだろう」


男は感心したように何度も頷いてそう言った。


「それはどうも」


あたしは仏頂面でそう返事をした。


そんなことはどうでもいい。


はやく本題に入ってほしかった。


「世田朱里、取引をしないか?」


男がゆっくりとした口調でそう言ったのだった……。
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