CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

-2-


「……帰ろう、アヤ」

キリトが、私の手を引っ張る。


「キリト…ねぇ、手…病院で治療してもらった方が、いいんじゃないの…」

キリトの手には、新たな血がしみ出していて、巻いたハンカチが赤く染まっていた。


「ああ…治療は行くけど……明日、行く…」

と、キリトが自分の手に目を落とす。


「なんで、明日なの…?」

訊くと、


「アヤと、バイクに乗りたいから……」

と、キリトが言った。


「バイクなんて、今乗ったら…手が……」


「大丈夫だから……こうやって、グローブを上から着ければ、グリップぐらい握れる……」

キリトが指抜きの皮のグローブを出して、手に嵌めた。



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