CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

「アヤ……もう、二度と恐い思いなんか、させないから……。

……俺が、アヤのそばに、いるから……」

さらにギュッと抱き寄せられる。


「キリト……ありがとう…うれしい…」

顎の下に手をかけて、上向かせられて、

「んっ……」

やさしいキスが降りた……。


……空が、やがて白んで明るくなってきて、

「あっ、俺……もう、帰らないと……」

と、キリトが口にする。

「仕事なの…?」

「ああ…今日、生の歌番があるから、早めにスタジオ入らないとマズい…」

「生の歌番組って、大丈夫なの…?」と、不安がよぎる。

メンバーと、再び顔を合わすのは、問題ないんだろうかと思う。


「大丈夫だ。シュウは、もうわかったはずだから……心配ない」

私の不安を取り去るように、キリトが微笑う。

「うん…そうだよね。大丈夫だよね…」

と、笑顔を返すと、


「だから、今日の番組…アヤも、見てて」


そうキリトが、言った。





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