CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

ーーその日、私はキリトと移籍の最終的な打ち合わせをする必要があって、

彼の仕事終わりを、スタジオの前で待っていた。


彼が詰めているスタジオの外には、たくさんのファンの女の子たちがいて、

彼が出てくるのを、心待ちにしているようだった。


私は、そんな彼女たちから少し離れて、彼を待っていた。

……と、ふいに、こんな話し声が聞こえてきた。


「……あの人も、キリトのファンなのかな…」

「あんまり出待ちで、見かけたことないよね…あんな人」

聞こえるその会話は、私のことを言ってるとわかった。


思わず、顔を上げると、

「……ねぇ、あの人、キリトの何? ファンにしては、年齢が上過ぎない?」

聞こえよがしに、そう言われた。




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