CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

「ここ、どうぞ?」


促されて、空いているシュウの隣の席に座った。

腰を下ろして、改めて並ぶ顔を見渡すと、そこにはヴォーカルの彼の顔は見られなかった。


「ヴォーカルのキリトさんは、いないんですね」


ふと呟くと、


「ああ、あいつはこういう大勢の集まりとか、嫌いだから」


と、シュウが言った。


「全然、来ないんですか?」


「来ないね。仕事絡みで、参加しないとマズい時ぐらいしか、キリトは出ない」

「そうなんですか…」


(飲み会の場にもあんまり出てこないとか、よっぽど人付き合いがイヤな変わり者なのかな…)

そう思いながら、つがれたビールを一口飲んだ。

< 23 / 156 >

この作品をシェア

pagetop