CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
「ここ、どうぞ?」
促されて、空いているシュウの隣の席に座った。
腰を下ろして、改めて並ぶ顔を見渡すと、そこにはヴォーカルの彼の顔は見られなかった。
「ヴォーカルのキリトさんは、いないんですね」
ふと呟くと、
「ああ、あいつはこういう大勢の集まりとか、嫌いだから」
と、シュウが言った。
「全然、来ないんですか?」
「来ないね。仕事絡みで、参加しないとマズい時ぐらいしか、キリトは出ない」
「そうなんですか…」
(飲み会の場にもあんまり出てこないとか、よっぽど人付き合いがイヤな変わり者なのかな…)
そう思いながら、つがれたビールを一口飲んだ。