CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
先に彼に座ってもらい、グルッと店内を見回してみたけれど、

客はまばらで、存在を気づかれるようなことはなさそうに感じた。


店員が注文を取りに来て、「コーヒー2つ、ホットで」言った後で、

「…いいよね?」

と、確認をすると、

彼は、「ああ…」とだけ、答えた。


「…ごめんね、その、無理に付き合わせちゃって…」


やや申し訳なくも思いながら彼の顔を上目にうかがうと、心底機嫌が悪そうな顔つきで、


「迷惑なんだよ…本当に」


と、言われた。


「うん…わかってる……。だけど…たまには、あなたとじっくり話してみたいなと思って……」


言葉を選んで言ったつもりだったのに、


「俺には、あんたと話すことなんか、ない」


あまりにもストレートな否定のされように、心が折れそうにもなる。


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