CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

「……帰るなら、忠告しておく。二度と、キリトには関わるな…」


返事をせずに席を立って、そのまま店を出たーー。


ーー今まで、私は彼らの何を見ていたんだろうと思った。


周りとの付き合いを持たず、

少し接しにくいかもとも感じていたヴォーカルのキリトは、実は誰よりも繊細で、


人付き合いがよく、愛想がいいとも思っていたギターのシュウは、

ドロドロとした憎しみのような感情を、奥底に隠していた。


さっきの、彼の口ぶりからしても、メンバーの間には明らかな格差があって、

初期メンバーとは違うキリトは、精神的な苛めを受けているようにすら感じられた。


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