CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

-2-


「……。……なんでっ! なんでひとりになんか、できるのよっ……!」


顔をそむける彼に、走り寄って、


「……そんな寂しそうなあなたを……ひとりになんて…できるはずないじゃない……!」


彼の身体を思わず抱き寄せて、顔を見上げると、

こらえていたらしい涙が、キリトの瞳から滑り落ちた。


「キリト……」


視線が交わり、絡み合い、沈黙が続いた後で、

彼が、タバコを口からはずして、


「……。……あんた……名前、なんて言うんだっけ…?」


と、だけ訊いてきた。


「亜矢……」

「アヤ、か……」


吸い殻を携帯の灰皿に押し込んで、


「アヤは……俺を、ひとりにしないで、いてくれるのか……」


今にもまた、涙が零れ落ちそうな目で見つめるキリトに、


「……あなたを、ひとりになんかしないから……」


答えた。


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