CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~

-2-

キリトの移籍の話がようやく動き出して、私は嬉しくて仕方がなかった。

早く彼に話してあげたいとも思ったけれど、

まだオフレコで…という編集長の言葉に、伝えることは控えていた。


だけど、日を追うごとに気持ちは高まって、

仕事にさえも、いつにも増して意欲が湧いてくるみたいだった。


「キリト、待っててね…」


私は、彼の顔を思い出して、幸せに浸るような思いすら感じていた。


「もうすぐ、あなたを助けてあげられるから…」


彼に直接言うような思いで独り呟くと、込み上げる気持ちに自然と顔がほころぶようで、

普段と変わらない帰り道も、楽しみにも感じたーー。

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