CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
「なんなのよ…まったく…」と、ため息をつく。

困ったように立ちすくんでいるカメラマンに、

「……写真は、撮れました?」

と、確かめる。

「ああ、はい…一応は。でも、インタビューの方は、大丈夫なんですか?」

「うん……」と、言い淀む。

「大丈夫です…編集長に事情を話して、なんとかするんで。心配しないでください」

外注のカメラマンには迷惑をかけたくなくて、そう伝えた。

「わかりました。では、また後ほど…」

「はい。今日は、お疲れ様でした」

カメラマンが先に帰るのを見届けて、スタジオの方に目をやると、さっきの男性がヘッドフォンをつけて、まさに歌い出そうとしていた。

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