何センチ‥?
-春-

別れ

春の日差しは、なんだか好き。

ふんわりとして、優しく私を包みこんでくれる。




―――――

ジリリリリリリ―‥‥


ポン


「うむ゛―」

昨日ちゃんと乾かして寝たはずなのに、横の髪がはねてる今起きたばかりの私。
おっきなあくびをして、前を見た。

綺麗にハンガーにかかって、シワ一つない私のセーラー服。少し不思議に思ってみたけど、すぐ気付いた。
そっか、今日は卒業式だ‥。
太陽の日差しがカーテンのすき間からセーラー服を照らした。この制服を着るのも、今日が最後なんだ。そう思うと、なんだか少し寂しい気持ちになる。

スカーフが上手くできなくて、苦労したっけ‥

よみがえる少し前の記憶。ただそれだけのことでさえ、私は懐かしく感じられた。




神谷 亜起 15才。
(カミヤ アキ)




私は今日、中学生とお別れします。
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