臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます！

「とりあえず、今週土曜日に年収５千万以上の人が集まる婚活パーティがあるんだよね」

……そしてある意味で、高収入の玉の輿を狙っているのを憚らないよね。

「明日の土曜は都合悪いかな」

「どうしてよ〜？　別にデートがあるわけじゃないでしょ」

「お見合いするから」

あっさり白状すると、詩織は飲みかけのお茶を吹き出し、春日井さんは目をまん丸にした。

「ちょ……それは早くない？」

「西澤さん。それは最終手段でしょう！」

何故か慌てる二人に、引き出しの中から羽柴さんに渡された白くてピカピカの釣書を取り出す。

「まだ、羽柴さんから頂いて、中身も見ていないんだけど」

「そこは大事よ、西澤さん！　羽柴さん紹介なら、変な人って事はないと思うけど。妥協しちゃダメよ！　まだ恋愛できる年齢でしょ！」

「私は甘くなくてもいいから、早く白米になりたい」

「西澤さん。あなたはたまに意味がわからない時があるわよ？」

混乱したような春日井さんの言葉に頷きかけ……。

「美和！　お前、ちょっと来い！」

いきなりの怒鳴り声に、その場にいた秘書課の皆の目が点になった。