優しい大地とお兄ちゃん
お兄ちゃんは、大地をリビングに通した。
三人でテーブルに座って、なんだか緊張した。
大地も緊張しているようで、ずっと手をもじもじさせていた。
お兄ちゃんは一旦席を立ち、お茶を用意して、また椅子に座った。
「宮崎くんは、さくらのどこが好きなの?」
しばらく沈黙が続いたけど、お兄ちゃんが笑顔で沈黙を破った。
「え?あ、えっと・・」
急なお兄ちゃんの質問に、大地は戸惑っていた。
「ちょっと!」
私はお兄ちゃんを軽く睨んだ。
「いいじゃんか、減るもんじゃないし。それに、さくらの兄としては、そういう事はちゃんと聞いときたいんだよ」
そう言ってお兄ちゃんは、優しく微笑んだ。
私は、お兄ちゃんの笑顔を見て、鼓動が早くなった。
・・ダメだって。
「宮崎くん?」
お兄ちゃんは、ニッコリ微笑んで、大地を見た。
「・・俺は、さくらの優しい所が好きです。笑った顔も、怒ってる顔も、泣いてる顔も、苦しんでる顔も・・さくらの全てが好きです」
大地は、お兄ちゃんの顔をしっかり見て、真剣な顔で言った。
私は大地から、自分を好きな理由をちゃんと聞いたのは初めてだったから、少し照れ臭かった。
「宮崎くんは、さくらの泣いてる顔も、苦しんでる顔も知ってるの?」
「え?」
「・・今後、さくらにそんな顔させたら、俺が許さないからな」
笑顔のままお兄ちゃんは言った。
・・何言ってるの?
いつも私に、そんな顔させてるのはお兄ちゃんなのに。
大地にそんなこと言わないで・・。
「大丈夫です。もう、さくらにそんな顔は絶対にさせません。俺がさくらを支えます」