双子の弟の束縛が強くて転校して逃げた私の話する?
タイトル未編集
私には双子の弟がおりまして、
双子といっても二卵性でして、
まぁそれはそれは似ていないのですよ。

身内の私から見ても弟は整った端正な顔をしていて、
いわゆる世間一般で言うところの「イケメン」に間違いなく分類されるだろう。

その顔立ちと嘘みたいにニョキニョキと伸びた180overの身長おかげか、
街中で事務所のお偉いさんに声を掛けられ、あっという間にモデルデビュー。

ちょうど一年前、中学3年のはじめのことで、
その事実を知ったお偉いさんは「義務教育中!?」と白目を剥いていた。



そんな弟は昔は女顔で内向的な性格だった。
ことあるごとに近所のガキンチョ共にからかわれ、零れ落ちそうな大きな瞳を潤ませながら私の背中に貼り付き「なつめちゃん……」とか細い声で助けを呼んでいたっけ。

同い年ぐらいのお子様には揶揄の対象でも、商店街のおじちゃんおばちゃんや、ちょっと大きなお兄さんお姉さん方には「この地区に舞い降りた百年に一度の天使」って言われていたなぁ……。


ガキンチョや鼻息の荒い大きなお兄さん方から弟を守るのは、決まって隣にいた私の役目だった。
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